その人の振る舞いが、そのまま会社の評価になる

日本では当たり前のビジネスマナーが海外で通用するとは限らない。何げない言動が先方の気分を害し、商談が立ち消えに……というケースもある。海外出張や外国人の接待で失礼にならないよう、国際基準のマナーを心得ておこう。

ベースとなるのは、プロトコール(国際儀礼)。プロトコールに基づいて行動すれば、大きなトラブルは回避できる。「郷に入れば郷に従え」で、その国の文化や慣習を十分に調べて実践し、相手を尊重する姿勢を正しく伝え、信頼関係を築くことが大前提となる。

「日本企業と仕事をする欧米のエリートは、日本のことをよく勉強していらっしゃいます。日本の文化や歴史を敬い、訪日前に十分に準備をしているので、多くの場合、お箸の使い方も見事です。挨拶の際に、日本式のお辞儀をなさることも少なくありません」(日本プロトコール&マナーズ協会理事長の上月マリアさん)

日本のビジネスでは会社同士が取引をしているという概念が強いが、特に欧米のビジネスでは「人対人」を重視。会社の代表として来ているその人の振る舞いが、そのまま会社の評価になるという認識を持とう。

イラスト=なかのりか