manner 3
エレベーターや車でも、席次のマナーを心得る
和室では左上位だが、国際儀礼では右上位
クライアントを接待するときに心得ておきたいことが席次のマナー。自分勝手に行うとゲストに不愉快な思いをさせてしまうため、大切なビジネスマナーの1つだ。
プロトコールにおける上位席の1つはマントルピースの前だが、その席がその人にとって本当に良い席かを考え、最善を尽くすのが本物のマナー。「本来ならこちらにお座りいただくべきですが」とひと言添えて、「美しい庭園をご覧いただけます、こちらの席はいかがですか」などと伺うのも敬意の表し方だ。
エレベーターや車の中でも序列によって一定の位置が決められている。右上位の原則から、タクシーやハイヤーでは後部座席の右側が上位席となり、ホストが自分で車を運転する場合は、助手席が上位席となる。エレベーターにも定位置があるので覚えておこう。
(左)エレベーターの立ち位置/原則として、操作ボタンの前には最下位者の(4)が立つ。エレベーターは危険物とみなすため、最上位者の(1)は、最後に乗り、最初に降りるのが原則。
(右)車の席次/車の場合は誰が運転手かによって2通りの席次がある。基本をふまえて柔軟に対応しよう。
manner 4
海外では日本以上に、手紙を重視する
メールでのお礼は略式。上位者には直筆の手紙を
初対面、年長者、取引先の役員など、上位者に対してはメールではなく手紙が正式。特に欧米では日本以上に直筆の手紙を重視する傾向にある。
伝統的なプロトコールでは、お礼状は当日、遅くとも翌日に送ることが望ましいとしている。便せんと封筒は揃いのもので、100%コットンで厚みがあるほど上質。色は白が最上格で、国際ビジネスでは淡い水色も可。プロトコールでは、便せんは無地が正式で、罫線や絵柄が入ると格下となる。
文字は黒かミッドナイトブルーで、万年筆がベスト。もっとも、先方がメールでのやりとりを了解している場合はメールでよいが、その間柄でも、用件に応じて手紙とメールを使い分ける必要がある。