電車の優先席にさも当たり前に座る社会人は何を考えているのか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「優先席に座る健常者には、『必要な人が来たら譲ればいい』と述べる人たちが多いようだ。私には、この考えはあまりに無神経に思える」という――。

地下鉄で躊躇せずに優先席に座る同僚

30代会社員の方からのご相談です――地下鉄に乗ると、同僚が何ら躊躇もせず優先席に座りました。そのことを注意したら「何がいけないんだ」と言うので、そのモラルの低さに呆れ、信頼できなくなりました。日本は、いつからこんなふうになってしまったのでしょうか。

日本には、列車内で女性が目の前に立ったら席を譲るという習慣がないだけでなく、老人が立っていても席を譲らない人が多く、そうしたシーンを見て注意をする人もほとんどいません。

そんな国では、優先席を必要としない人たちが平気でそれらの座席を占領し、「必要な人が来たら譲ればいい」と言ってのけます。そんな行為もモラルに反するとさえ思わない人が多いのです。

地下鉄の優先席で眠るビジネスマン
写真=iStock.com/RichLegg
※写真はイメージです

健常者が優先席に座ることを正当化する現状

女性に席を譲るというのは、他の先進国では当たり前の風習ですが、日本にはそんな雰囲気すらありません。

知り合い同士なら別でしょうが、女性だからという理由で他人から席を譲られたら、女性のほうが戸惑ってしまうでしょう。

日本に住んでいると、これを変えるのは相当に難しい、あるいは変える必要はないことのように思えます。

しかし、電車の中で老人がつり革につかまっているのに、その前に座る若い人たちが知らん顔をしている。これについてはどうでしょうか。その様子が目に入るはずの人たちも、皆見てみぬふりをしています。

そして、ハンディキャップのある人たちに用意された優先席には、健常者が平然と座り、スマホをいじっています。

こんな現状を恥ずかしいと思わないどころか、正当化する人たちも多いのですから、質問者の方のように感じられるのも無理はないでしょう。

実際のところ、これは今にはじまったことではなく、昔から目にする姿ですが、ここ10年ほどは特に、そんな行為も間違ってはいないと、(主にネット上で)理屈をこねる人たちが多いように見えます。