4 当てずっぽう感が激減!
ポジティブ&ネガティブ方式で、納得感が高まる

「来月の売上予測」「来期の予算達成率」など、ビジネスでは未来の数字を求められるシーンも少なくありません。未来のことは誰にもわからないけれど、雰囲気で答えると「本当に?」とツッコミがくる……。そんなときに使えるのが、好条件がそろった場合、悪条件が重なった場合の2つの数字を試算する方法です。中間を予測値として設定すれば、根拠のある数字として受け取られます。また、最低ラインの数字を出すことで、対策を打つことも可能に。曖昧なようで、実は情報としての厚みが増す伝え方です。

会議にて
・B上司「来月の売上予測、どのくらい?」
・A子「ポジティブシナリオだと500万円、ネガティブだと300万円と予測します。ですので、400万円くらいを予測値として押さえるのが妥当と考えます」
・B上司「OK!(300万円だと予算ショート、今から対策を考えておこう……)」
女子会にて
・A子「ダイエット中なんだけど、ポジティブシナリオだと3カ月後には5kg減、忙しくてサボっちゃうと現状維持かな」
・C子「ってことは、2~3kg減は期待できそうね!」
5 資料なしでも頭に入る!
トータルスコア100で、わかりやすさアップ!

100は、「満点」「完全」をイメージさせる数字です。「トータルスコア100のうち80」と聞けば、脳裏には自然と円グラフが出てくるはず。製品の性能や市場でのシェアなどが話題になったとき、「トータルスコア100」という指標を使って説明することで、たとえ資料がなくても感覚的にスッと理解できるわけです。部下とのコミュニケーションにも、「100」は有効。「パーフェクトな仕事を100としたら、今日の商談は?」。現時点での最高点を100と仮定して現状を数値化することで、主体的な行動を促すことができるのです。

後輩指導にて
・A子「初プレゼン、おつかれさま。トータルスコア100とすると、今日のプレゼンはいくつくらいだった?」
・新人「えっと……70くらいですかね。資料を少なくして、もっと簡潔に話せればよかったかも」
・A子「じゃあ、次回は残りの30のところを意識していこう!」
深沢真太郎(ふかさわ・しんたろう)
ビジネス数学の専門家
人材教育コンサルタント、理学修士、BMコンサルティング株式会社代表取締役。予備校講師、外資系企業での管理職などを経て、ビジネス数学を提唱する研修講師に。著書多数。http://www.business-mathematics.com

構成=浦上藍子 撮影=園田昭彦 モデル=岡本ハナ