夫と両親に子どもを託し、グアムとマレーシアへ
幸い、自分の両親も一緒に暮らしていた。夫と両親に海外赴任の話をすると賛成してくれた。
「主人と両親に子どもを託し、グアムとマレーシアのホテルオープンの応援に行きました。レストランのマネジメントを教えるのが主な仕事ですが、夕方になると着物に着替えてレストランに出ることも。お客さまへのサービスを楽しませてもらいました」
帰国後、東京のホテルで働き、再び単身赴任するのは14年後。新人で入った大阪へ宿泊部長として凱旋した。365日24時間稼働する宿泊部門。女性は結婚・出産すると働き続けられるか不安に駆られ、辞める人も多かった。当時の社長から「夢を抱いて入社する若い女性スタッフには活躍してもらいたい。女性の部長が誕生すれば、後進も次は課長になり、部長になりというのが当たり前になる」と期待を寄せられた。
それから9年が経ち、中川さんは執行役員に就く。その間、子どもを産んで職場に戻ってくる女性が増えてきた。中川さんに続く女性のホテル総支配人も誕生した。
「それはとてもうれしい。産休で抜けた人のサポートに入る女性たちにも、その時期が来たら応援してもらうんだから、あの人の分の仕事が増えて大変だわ、なんてマタハラ的なことは言わないの! と話しているんです(笑)」
Q.好きなことば
意志あるところに道は開ける
Q.趣味/ストレス発散
日本酒/お風呂
Q.愛読書
『蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)』(浅田次郎著)
Q.仕事道具
母から贈られたブローチ
ロイヤルホテル 執行役員
1984年、ロイヤルホテル入社。87年、セールスレディー第1号に。その後、リーガロイヤルホテル東京などを経て、2008年、リーガロイヤルホテル大阪宿泊部長、13年、都市センターホテル総支配人、17年、執行役員に就任。2児の母。
撮影=水野真澄