「お金をもうけることは楽しい」と子供に教える

【淺場】例えばアメリカと比較すると、支援も少ないし、起業認可に時間もかかるので、起業しにくい環境ではあるのかも。

中島星沙さん

【中島】アメリカの人は子どもの頃からチャリティーで物を売るとか、お金を稼ぐ経験をしてきていますよね。だから、MBAを取った後にも「就職しますか、または何かのビジネスを始めますか」と普通に起業が選択肢として出てくると聞いて、驚きました。

【淺場】教育は大事。日本も小学生ぐらいで物を売る体験をさせるべきでしょうね。ゼロをイチにするプロセスを経験している人が事業をやると強いですよ。

【中島】お金をもうけることが楽しいと思ってほしいですよね。「子どもインターン」みたいな制度をつくるといいのかも(笑)。

【千田】子どもたちには早いうちに失敗することを経験してほしいです。今の社会では1度失敗したら終わりという空気がありますが、新規事業に失敗はつきもの。プロジェクトが1000立ち上がったら、そのうち3つが成功するというぐらいの確率なんですから。

【中島】失敗を許容するとか、失敗を歓迎する文化がないですよね。

千田はるかさん

【千田】あっという間に事業を拡大し、うまくいっているように見える起業家でも、成功より失敗の数のほうが多いし、全部、昔と反対のことをやって成功したという人もいます。やっぱり失敗した経験のある人は強いです。

【淺場】1度の失敗で消えてしまったらもったいないよね。そこも、公的な支援が長期的にコミットしてくれるといいのだけれど……。

【中島】今、大きなメーカーが縮小したりしていて、そこにいた人たちの起業したいというニーズもあるでしょうしね。もっと再挑戦しやすい環境にしてほしいです。

▼「起業しやすい環境整備」に関して

起業しやすい環境整備について、下記により要望いたしますので、よろしくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)起業を応援していることをもっと伝えるべき
起業を増やしたいというメッセージが伝わってきていません。「働き方改革」と同じくらい、発信に力を入れるべきではないでしょうか。

(2)義務教育の段階で、「ゼロイチ」を経験させる
例えば「子どもインターン」を授業に組み込むなどして、ゼロからイチを生み出す経験をさせるのはいかがでしょうか。働くイメージをポジティブにし、お金をもうけることの大切さや面白さを教えることが重要です。

以上 座談会参加者 一同