世界でも類を見ない勢いでの人口減少に見舞われている日本。少子高齢化を背景とした生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少から、構造的な働き手の不足が続いています。大々的な採用活動ができない中・小規模の企業は、一層立場に置かれるでしょう。ただ、打開策がないわけではありません。当ブログのアドバイザーでマーケティングコンサルタントの酒井光雄氏が2回にわたり、規模は小さくても優秀な社員を獲得している会社の秘密を明かします。(全2回、前編)

人手不足は、今に始まった話ではない

企業のおよそ9割の数を占める中小企業で、その74%が「人手不足」を感じ、34%が売り上げの減少、30%が商品・サービスの質の低下といった影響が出ており、人手不足が経営の重荷になっていることが、中小企業基盤整備機構の調査で明らかになった(2017年3月に中小企業基盤整備機構が実施した「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」に関する中小企業アンケート調査)。

知名度の乏しい中小企業や新興企業にとって、人手不足は今に始まったことではなく、以前から経営者の悩みは「1に人材、2に人材、3、4がなくて5に人材」と言われてきた。