緻密なレイアウトで勝負するインフォグラフィックの達人
●教えてくれる人:メディア・シェイカーズ ZUNNY編集部 周東淑子さん

(左)メディア・シェイカーズ ZUNNY編集部 周東淑子さん(右)綿密に描かれたラフ(写真上)をもとにデザイナーがページを作成(写真下)。スマホでどう見えるかが最も重要。色合い、読者の目の動線を意識する。

▼伝わるまで「削る」。磨き上げられた情報たち

「大切なことは、『誰にどんなメッセージを伝えたいか』を明確にすること。限られたサイズのなか、情報をいかに簡潔にまとめ、わかりやすく届けるかを常に考えています」

情報を図(インフォグラフィック)に落とし込み、発信するウェブサイト「ZUNNY(ズーニー)」編集部の周東淑子さんは、情報を徹底的に削りより明確なメッセージを届けるプロだ。

情報やデータ、知識を視覚的に表現するインフォグラフィックは、専門用語を使わないことはもちろん、見る人が文字を読まずとも、ひと目でその内容を理解できなくてはならない。そのため、図をつくるときのポイントは、イラストやグラフ、吹き出し、色のすべてに意味を持たせることだと周東さんは話す。

作成したラフは同僚やデザイナーとも共有し、要点が伝わるかどうかを確認する。「イラストや色をたくさん盛り込めばわかりやすくなると思いがちですが、無意味なものは見る人を混乱させるだけ」。また、表したいデータの種類によって、どんな図表を選ぶかを意識するだけでも伝え方が格段にアップするという。

1つの図をつくるために、企画から公開まで3週間を費やす。情報をそぎ落とす技術は、どんな資料にも応用できるだろう。

綿密に描かれたラフ(写真上)をもとにデザイナーがページを作成(写真下)。スマホでどう見えるかが最も重要。色合い、読者の目の動線を意識する。

編集=相馬留美 撮影=鷲崎浩太朗、真板由起