2. シャンプーが切れたときに、「残念!」と深いため息をつく

日本人は消費というと、ものを買うことだと思っている人がほとんどではないだろうか。

「フランス人は、買って使い切るまでが消費。日本人が消費と言っているのは、“購買”です」

そして、幸い日本にはあらゆる種類のあらゆるものがふんだんに売られている。目移りする。しかも安くて高品質なのだ。

個人差はあれど、どんどん買って、使い切らないまま捨てたり、放置したり、すぐに新しいものに買い替えることが当たり前になっているのが現状だ。

「日本と同じ価格で同じ品質のものは、フランスでは手に入らないんですよ」

と力説する吉村さん。安いものはそれなりの品質で、高い品質のものはそれ相応の値段がする。だから彼らは、一度買ったら値段の分、とことんまで使い尽くす。

「例えばシャンプーが切れたとします。日本人は、やっと新しいのに買い替えられる、とむしろちょっとうれしく思う人が多いでしょう。でもフランス人は心の底から『Oh! Desolee!(ああ、残念)』と深いため息をつき、買い替えなければならないことを嘆くのが普通なんです」

それくらい、新しくものを買うことに抵抗があり、いい意味でケチなお国柄なのである。