ローズマウントの特徴は、アーリーリリースとオーク樽の使い方

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ここまでいろいろ飲んでみて思ったのは、「ローズマウントのワインは、どれも味が非常にしっかりくっきりとしているのに、非常にフレッシュで爽やか」ということ。他のワインとどこが違うのかコミンズ氏に尋ねてみたところ、いくつかのポイントを教えてくれました。

ポイントの1つ目は、オーク樽の使い方。オークの風味が強すぎると、ワインが重くなり、また硬さやドライさも増すので、やり過ぎはよくないのだとコミンズ氏は言います。そこでローズマウントでは、オーク樽で仕込んだワインと、ステンレスの樽で仕込んだワインをブレンドし、口当たりが柔らかく飲みやすいワインになるようにしているのだそうです。

もう1つのポイントが「アーリーリリース」。一般的に、ワインを醸造してからボトルに詰めて出荷(リリース)するまで、ワイナリーではワインを寝かせておきます。このタイミングが非常に早いのがローズマウントの特徴なのだそう。

例えば今年の白ワインだと、1月から4月にかけてワインを醸造し、1カ月だけ寝かせて5月にはリリースしてしまうものもあるのだとか。赤ワインも同様で、他のワイナリーでは24カ月、あるいはそれ以上熟成させるところを、ローズマウントでは6カ月程度で熟成を止め、出荷するものが多いそうです。

「アーリーリリースをする理由は、ワインが若いとそれだけフルーツフレーバーが強くなり、よりフレッシュな味を演出できるから。若くてフレッシュなワインだから、いろいろな食事と合わせてバランスが良いんです。和食にも合っているでしょう?」とカミンズ氏は自信を見せます。

また、ローズマウントでは8年前から、すべての商品をコルクからスクリューキャップに移行しているそう。飲む人が開けやすいというだけでなく、バランスがよく爽やかな味わいに貢献しているといいます。「私たちは2001年からスクリューキャップとコルクのボトルとでワインを熟成させて比較するテストをしました。その結果、スクリューキャップはコルクに比べ、熟成がゆっくりだが安定している、という結論に達したのです。コルクが欲しい、という声はいくつかの国では今もあるのですが、テストの結果を受けて、全商品をスクリューキャップに切り替えました」

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