もはや人災になりつつある森林火災
燃え盛る炎に、傷つき、命を落とすたくさんの動物たち。いまだ鎮火されないオーストラリアの森林火災は、私たちにあまりにも悲惨な現実を突きつけた。
一部メディアによると、この火災はこれまで約1700万ヘクタール=日本の国土約半分を焼き尽くしたことになるが、これは昨年のカリフォルニア火災の256倍、アマゾン火災の1.5倍の消失面積。住宅は2900軒以上が被災し、これまでに33名が命を落とした。また、死傷した動物の数は推定12億匹を超えるともいわれている。この被害状況を見ただけでも、世界最大級の災害であり、環境汚染であることは間違いないだろう。
森林火災の原因はいくつか考えられるが、“人間の力ではどうしようもない大規模な自然災害”という認識であった以前と今とでは、少し様子が違っているようだ。それは気候変動によるものが大きいということ。例年に比べ気温が高く、降水量が少ないために空気の乾燥がより進んでいることや、多発している落雷が火災を引き起こしているのだ。そう、これらはすべて地球温暖化の影響。さらに、過去にはタバコの不始末や放火なども挙げられているというから、森林火災はもはや、ただの自然災害ではない。われわれ人間が引き起こした災害ともいえるのだ。