コロナ禍による外出自粛でオンライン飲み会が増えるなど、最近はお酒を飲むスタイルに変化が見られる。その結果、お酒を飲む量が変わった人も多いのではないだろうか。そこで、アルコール依存症治療の第一人者であり、日本初のアルコール専門治療病棟を立ち上げた国立病院機構久里浜医療センター院長 樋口進先生に、アルコール依存症について話を聞いた。
友人たちとビールで乾杯する幸せな瞬間
※写真はイメージです(写真=iStock.com/ViewApart)

ここ数年、日本人の飲酒量が増えている?

WHO(世界保健機関)のレポートによると、世界では成人(15歳以上)の23億人がアルコールを摂取しており、これは15歳以上の世界人口の約43%に当たる(※1)

※1 WHO. 2018 Global Status Report on Alcohol and Health.

また、15歳以上の年間平均飲酒量は2000年以降、ヨーロッパでは少しずつ減少し、アメリカでは横ばいであるのに対し、日本を含む西太平洋地域では増加していることがわかっている(図表1)。

出典:WHO. 2018 Global Status Report on Alcohol and Health. P45 Fig3.5
出典:WHO. 2018 Global Status Report on Alcohol and Health. P45 Fig3.5