女性は男性より、アルコールの影響を受けやすい
アルコール依存症のリスクは、男性よりも女性のほうが高いといわれている。そもそもアルコールは、体内に入ると水に溶けて薄められるが、脂肪には溶けにくいもの。女性は男性に比べて体が小さく脂肪が多いため、男性より体内のアルコール濃度が高くなりやすい。また、アルコールは肝臓と筋肉で分解されるが、女性は男性より肝臓が小さく、筋肉量も少ないため、アルコールが長時間、体内に残りやすい。こうした理由から、女性は男性よりもアルコールの影響を受けやすく、依存症になるまでの時間も短い。そのため世界の多くの国では、女性は男性より飲酒量を少なくすべきだといわれている。
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」によると、節度ある適切な飲酒量は、一日あたりの純アルコール摂取量が20g程度。お酒に換算すると以下が目安となるが、女性はさらに少ない量にとどめたほうがいいといわれているから、お酒好きの女性は注意が必要だ(図表4)。
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「外出自粛などの影響で、最近お酒を飲む量が増えた」「なかなか休肝日をつくれない」という人は、減酒.jpの「お酒の飲み方チェック」で、アルコール依存の度合いをチェックしてみよう。
アルコール依存の疑いが高い場合には、アルコール依存症の治療ができる医療機関やクリニックで診察を受けることが勧められるが、保健所などに相談することもできる(全国の相談窓口・医療機関を探す)。
アルコール依存症の治療法は、これまでの「断酒」に加え、飲酒量を減らす「減酒」を選ぶことも可能だ。減酒はヨーロッパではかなり前から行っている治療であり、軽症の人なら減酒を達成でき、継続することで安定した状態を保つことができる。一方、重症の場合、本人が「依存症ではない」と否認するケースが多いが、「減酒」という選択肢を提示することで治療の間口が広がり、早期の回復につながることもあるそう。
また、断酒も減酒も心理社会的治療が中心となるが、薬を使用して治療をサポートできるという。いずれにしても、適切な治療が必要となるので、まずは医師に相談することが重要だ。
適度な飲酒は楽しみを増やすものだが、付き合い方によっては、さまざまな弊害をもたらすことに。一度、飲酒習慣を見直し、自分なりの最適なアルコールとの付き合い方を見つけてみてはいかがだろうか。
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