4.純資産残高が少なくとも30億円以上のもの

投資信託は規模が大きければ良いというものではありませんが、あまりに残高が少ないものだと、運用会社側が経営上赤字になってしまう可能性も出てきます。1つの目安として、最低30億円程度の運用資産残高があるものから選んだ方が無難です。一般的に大手の商品は残高30億円未満になって来ると、途中で運用を止めて全額払い戻し(中途償還)されてしまうケースが少なくありません。

せっかく始めた長期投資が、業者の都合で強制的に終了させられてしまうなどということがないように気を付けましょう。

5.安定した資金流入が継続しているもの

これは「4.純資産残高が少なくとも30億円以上のもの」ともつながる要素がありますが、たとえ残高は充分大きな商品でも、資金流出が長期にわたって続いているものは避けるべきです。

解約が止まらなくなっている投信は、運用者側が解約資金を手当てするために、常にポートフォリオの中身を崩して資金化していく作業に追われることになります。これが恒常化するようだと、まともな運用が成り立たなくなります。売りやすい資産から売却していくことにならざるを得ず、投信の資金流出と共に運用のクオリティも劣化していくことになります。

どれだけ良い運用を続けていても、投信の資金フローが運用成果を殺してしまうのです。ですから大きな資金の出入りが激しいものも避けるべきなのです。

逆に毎月安定して資金流入が続いている投信は、運用者の心地良く自在な運用を助けています。特に相場下落時にも資金流入が途切れないものなら、価格が下がった市場でしっかりと安く仕込むことができるため、将来の運用成果がより良いものになるのです。

これを見極めるのはちょっと難しいのですが、「モーニングスター」や「投信まとなび」といった投信評価サイトで調べれば、誰でも資金流出入実績を確認することができます。少なくとも1年以上継続して純資金流入になっているものを選びましょう。