株価の動きに一喜一憂、市場の下落で怖くなり手放してしまう……投資のワナを避けて“一生に必要なお金”を作り出すために必要なこととは?
長期資産形成にふさわしい投資信託とは?
英国のEU離脱決定で、世界中の金融市場は大荒れになりました。この国民投票の結果は、市場参加者の想定外だったこともあり、株式市場は瞬間的に連鎖反応を起こし、オーバーシュート(※市場が過剰反応して 短期的に適当と思われる水準を越え、行き過ぎた変動をすること)して下落しました。そして、今回も少なからぬ個人投資家の人達が、暴落の恐怖に抗えず衝動的に株や投信を売却してしまいました。まさに相場の値動きに翻弄(ほんろう)されてしまった人たちで、こうした行動をとっている限り、将来への資産形成は決して成し遂げられないでしょう。
日々の相場の値動きにうろたえず、生活者投資家が資産形成をかなえるための3原則を、前回は解説いたしました。そしてこの3原則、「長期」で「分散」して「ツミタテ」を継続していくため、生活者投資家にとって最も便利で合理的なツールが投資信託であることも、これまで繰り返しお伝えしてきました。そこで今回は、“長期資産形成にふさわしい投資信託選びの5条件”を易しく説明したいと思います。
1.無期限の投資信託であること
まずは運用期間に期限があるものは選択肢から排除してください。特に最近は、5年・10年というように期限を定めているものが増えています。長期投資は、期限を定めず実体経済の中にお金を働きに出すことで、経済活動がもたらす成長を養分に、お金をゆっくりと育てていくわけです。一方的に運用を終わらせられてしまっては、人生をスパンとするような長期投資は成り立ちません。
運用会社側としては、不人気になった投信はすぐさま整理したいため、期限を設けておきたいものなのです。しかし、それは投資家の都合とは全く無関係なことですので、無期限の商品を選ぶことが、長期投資の実践においては大前提となります。