まるでママゴトのような始まりだ。だが、自分自身が欲しかったサービスのニーズに強い確信があったから突っ走れたという。当然、会社の内外で大小さまざまな失敗をした。しかし、実はいろいろな職業の人から本音の話を聞いてみたいと思ったことが怒涛(どとう)の合コン三昧の日々につながった、とあっけらかんと明るく話す姿に「人を巻き込むパワー」が感じられる。良い意味で無理をしないのも西原さんの持ち味だろう。「子育て中ですし、もともと数字は得意じゃないから」と社長業は夫に任せ、自らは原点と語る各地の店舗に頻繁に顔を出しながら、サービスのブラッシュアップと新事業の開拓に力を注ぐ。
「私は施術できませんから、各店舗の受付でお客さまをご案内しています。ニーズも見えやすいですし、社員たちに直接ハッパもかけられますし(笑)」
今日も副社長はさりげなく受付に立ち、お客さまに笑顔で接しているはずだ。
1975年愛知県生まれ。女子大を卒業後、地元テレビ局に就職。2年で退職し、2000年にアトリエはるか創業。全国主要都市での約50店舗の美容サロン運営のほか、関連事業へも進出。
撮影=大槻純一