CASE.3:いい社長と思われたい気持ちが結果、経営をダメに
●山本朝子さん(38歳/仮名)

大手エステサロンから独立。小規模ながらサロン2店舗を経営するも、半年前に個人サロンへと縮小した。「女性だけの職場のため、雰囲気を悪くしたくないのと同時に、私の中で“いい社長”と思われたい気持ちがあり、厳しく指導できませんでした」。そんな経営者の態度に、スタッフは次第に山本さんを見下すようになる。

「遅刻や勤務中の私語が目立ってきました。客商売ですからすぐに口コミで広がり、経営に影響しました」。それでもスタッフとの関係を改善できぬまま、とうとう縮小を決断。サロン閉鎖を伝えたが、「あっさりと辞めていきました。スタッフを引っ張れない経営者では、サロンの行く末は見えていたのだと思います」。

現在は、接客から経営までひとりでサロンを切り盛りしている。「気持ちがラクになりました。私には個人事業が向いていたのかもしれません」

【つまずかないポイント】
・経営者と従業員は責任の持ち方が違う。一線を引いた接し方を
・他人の目を意識しすぎない