なぜ、日本の1人あたりの労働生産性は低いのか

日本人の生産性の低さも顕著です。もっと生産性を上げれば、短い時間で高いアウトプットが出せるようになります。男性も女性も、早く家に帰ることができたり、自分の生活スタイルに合った働き方ができるようになるはずです。

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【国際的に見て低い日本の労働生産性】グラフは購買力平価を就労人口で割ったもの。1人あたりの労働生産性を表す。日本はOECD加盟34カ国中で22位。頑張って長時間働いているわりに、それが成果につながっていないことがわかる。(出所:日本生産性本部「日本の生産性の動向」(2014))

日本人の生産性が低い理由は、「チームワーク」「コンセンサス(全員の合意)」「おもてなし」の3つにあると私は考えています。これらの言葉の美しさにごまかされて、その背景にある問題の深刻さに、誰も目を向けなくなっています。

チームワークやコンセンサスは、「全員がその場にいないといけない」という縛りになります。これは、単なるマネジメントの怠慢。リーダーシップが欠如し、責任の所在があいまいなため、誰も責任を持って何かを決断することができません。

「私が決める。だから自分が責任をとる」。上の人にそんな覚悟がないんです。このため、長時間の会議で全員の顔色を見ながら、コンセンサスでものごとを決めることになってしまいます。若い頃に「ボトムアップ」で意見を上げてもらえてうれしかった体験もあり、部下に対してもそうするのでしょうが、男性ばかりで長々と会議をしていても良かった当時とは、時代が変わっていることに気づくべきです。

そのくせ家庭では、「家事や子育ては女性の役割」と、女性の責任範囲ばかりが明確です。本来は逆で、職場では責任の所在を明確にし、家庭ではチームワークを大事にして家事を分担すべきなのです。