親が元気なうちにやっておきべきこと【2】
~所有財産の把握
不動産だけでなく、親の老いや相続を意識するようになったら、親所有のその他の財産も確認しておく必要がある。ご存じのように相続税の申告、納税は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内と決められている。相続放棄、限定承認をする場合には3カ月以内(家庭裁判所への申し立てにより3カ月の期間延長は可能)なので、意外と期間が短いのである。
この期間中に全ての財産を把握し、相続する場合は納税しなくてはいけないが、若いうちに親元を離れていた場合など、親の財産の詳細を把握していないことが多い。故に決められた期間で全てを処理するのが難しいことがある。
もし、住宅以外に財産がなく、かつその住宅に居住、あるいは維持管理し続けていくのが難しい場合には「相続放棄」という手があるが、財産の全貌が分からないと、その判断もできない。それを考えると、早めに親の財産を把握しておくことは空き家発生を防ぐ手でもあるのだ。ただし、兄弟姉妹がいる場合には全員でやること。要らぬもめ事のタネになりかねないので用心が必要だ。
ちなみに我が家では母が財産の管理をしており、父は全く何も分からない状態で母に認知症の疑いが出たため、姉妹で親の資産を棚卸しした経験がある。親たちの年齢を考えて長期の金融商品は短期に組み替えるなどの手を打った。空き家問題以外にも親が高齢になってくればこうした懸念も出てくる。実家の資産については親がある程度の年齢になったら関心を持っておきたいところだ。