再就職するまで「国民年金」に入る

60歳まで国民年金に加入するのは国民の義務です。会社を退職し、すぐに再就職をしない場合は、短い期間でも国民年金に入ることになります。退職日から14日以内に、住まいの市区町村の国民年金の窓口での、手続きを忘れないようにしましょう。

また、サラリーマンの扶養の妻が、夫の退職で扶養から外れたときも、夫婦それぞれが単独で国民年金に入る手続きをし、国民年金保険料を納める必要があります。

逆に、働いていた妻が退職してサラリーマンの夫の扶養になるなら、年金制度の第3号となり、年金保険料の自己負担はなくなります。この場合は夫の会社に手続きを依頼します。

年金変更の手続きを怠ると保険料が未納になります。未納すると65歳からの老齢基礎年金が減ったり、年金の受給権に影響を与えることもありますので、注意しましょう。

<国民年金加入のための必要書類>
・国民年金被保険者種別変更(第1号被保険者該当)届書(窓口にある)
・本人または厚生年金に加入していた配偶者が退職した日が確認できる書類の写し(雇用保険の離職票、退職辞令、退職証明書など)
・年金手帳
・印鑑

退職後の「所得税」と「住民税」の払い方

同じ税金でも「所得税」と「住民税」は納め方が異なります。

所得税はあらかじめ年収を想定し、それを月割りにして給料から差し引かれています。年の途中で退職をし、その後、年内に再就職しない場合は所得税を多く納めていることになります。余分に払った所得税は確定申告によって戻してもらうことができます。

なお、退職金の所得税は源泉徴収で会社が納めてくれるので、確定申告をする必要はありません。

住民税は退職した時期によって納め方が違います。

●1~5月に退職した場合……前々年の所得に対して課された税額のうち、5月までに納めるべき残額を退職時に一括で支払います。

●6~12月に退職した場合……前年の所得に対して課された税額のうち、翌年5月までに納めるべき残額を、退職時に最終月の給与や退職金から一括で払うのが一般的です。分割で払いたい場合は、その旨を会社に伝えてください。後日、役所から納税通知書送られてくるので、自分で支払います。

退職は人生の節目であり、次のステップへの扉です。退職後の手続きはいろいろ面倒ですが、ひとつひとつクリアしていくうちに次の道が開けてくるというものです。ファイトです(と経験者は語る)。

マネージャーナリスト 坂本君子(さかもと・きみこ)
広告代理店、出版社にてサラリーで働くエディター、ライター、プランナー、コピーライターを経てフリーに。得意分野は投資、住宅関連。大ブレイクはしないけれど、仕事は堅実でハズさない。満を持して2008年に起業。個人投資家としての投資歴は15年選手(ちょっぴりプラス)。