イケメンには甘い……というわけではない

ショーンK、いや川上伸一郎という、一人の努力家の男の軌跡を思うと、怒りとか弾劾には意味がないのではないかという気がしてくる。だから、「今回のショーンKの件って、女性が責めないよな。イケメンには甘いんだな」と言われると、「いやそれ、イケメンだからなんじゃなくて、なんかもういろいろかわいそうだからなんですよ……」と言いたくなってしまう。だって“ハーフ”になるために学歴を詐称して、整形して、日焼けサロンに通って、実際はとっても華奢な体型でシークレットブーツを履いて身長をごまかして……って、イマドキのちょっと見る目がある女の子だったら、一発で見抜くであろう盛りまくりのルックス。ここまで来ると逆に「何か事情があるのかな」といたわってしまうレベルだ。

だから、かつてクヒオ大佐に騙された女たちも、本当はどこかで本能的に嘘と分かっているのに、だまされて“あげた”部分もあったのではないかな、などと思うのだ。まぁもちろん、そこが詐欺師の詐欺師たるゆえんなのだけれども。

現在、所属する事務所のサイトには「ショーンKからのお知らせ」として、すべてのメディア活動を自粛中であると書いてある。
河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。