仕事が第一じゃないという言葉を「見える化」してしまう

仕事第一ではない、という考えかたに異を唱える人の中には、「じゃあ、仕事以外に何をするの?」というとてもシンプルな疑問を添える人が多い。そう発言するご本人には、仕事以外にやることが思いつかないというケースはごく一般的。だとしたら、いくら仕事が速くできても、主体性を見せてやる気をアピールしても「仕事よりも大事なことがある」状態を納得してもらうことは難しくなります。

一番いいのは「仕事以外の大事なこと」を見える化、要は公言してしまうことです。突き抜けた趣味を持っている、スポーツなどに熱心に取り組んでいるなど、明らかに「ああ、あの人といえば、あれだね」というものを持っているのが分かると、仕事以外の大事なことは尊重されますから。プロ級であるとか、(その筋の)業界でも有名人であるとか、そのレベルに達すると、職場にそういう人がいるということそのものが、同僚たちの自慢になるくらいです。もちろん、取り組んでいることの内容によりますが……。

「仕事以外に大事なこと」がある人は、それを職場で公言していまうことをオススメします。

先週のコラム(「真面目にコツコツ」働くあなたが昇進できない理由)にも書きましたが、「よく見える人は良く見える」のです。相手は分かってくれるだろう、ちゃんと自分を見ていてくれるだろうという幻想は、捨てなければなりません。そうでなければ「仕事が一番の人生なんて、寂しいと思いませんか」というフレーズを、仕事をしたくない、できればサボりたい、役に立たないけど職場に居座りたいと考えている人たちと同じだと、勘違いされてしまうのですから。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。