自分から進んで勉強をする子どもに育てるにはどうすればいいのか。記憶のプラットフォーム 「Monoxer」を研究開発する畔柳圭佑さんは「なにかを習慣づけるときには、恐れずにご褒美を活用したほうがよい結果をもたらします」という――。

※本稿は、畔柳圭佑『記憶はスキル』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を加筆再編集したものです。

大きなキャンディを手にうれしそうな少女
写真=iStock.com/mzoroyan
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子どものモチベーションを上げるには

「子どもに」と書きましたが、この内容は大人でも活用できます。自分以外の人のモチベーションを上げたいときに活用してください。

自分の子どもや部下のモチベーションを上げる、というテーマは長年研究がされてきた領域でもあります。ここでは記憶に関連した重要な部分を紹介しましょう。

(1)期待を持って接する

子どもや部下に対してモチベーションを持ってもらいたいと思ったときに知っておきたいのが、「ピグマリオン効果」です。

【エビデンス】

ネズミを使って迷路を解かせるという実験をするときに、ネズミを扱うアシスタントに「このネズミは優秀なネズミだ」と言って渡したケースと、「このネズミはダメなネズミだ」と言って渡したケースとでは、優秀なネズミと言って渡したほうが迷路を解く課題の成功率が高くなりました。

もともとネズミに差があったわけではなく、アシスタントが無意識のうちに優秀なネズミと言って渡されたほうをより丁寧に扱った結果、課題の成功率が上がったのです。

人間を対象にした調査でも同様の効果が確認されています。「今後知能が伸びる生徒」としてリスト化したものを教師に見せると、その後しばらくしてリストにあげられた生徒の知能が実際に伸びた、というものです。