「指示を出すのが苦手」という人がいますが、適切な指示を行えないと、業務に支障を来す場合もあります。分かりやすい指示を出すポイントとなる“形容詞や副詞”と“数字”の使い方について、教育コミュニケーション協会代表の木暮太一さんに教わります。

まずは目的を明確に

説明力の研修を行っていると、「部下や後輩に分かりやすく指示ができない」と悩む女性マネージャーに多く出会います。彼女たちの“分かりづらい指示”によって発生する問題の多くは「説明表現があいまい」という点に起因します。

指示を出したはずなのに、思う通りに進んでおらずイライラしたことはありませんか? 指示を受けた部下は、動きたくても動けなかったのかもしれません。あなたの指示の出し方を見直してみましょう。

部下・後輩に分かりやすい指示を出すには、どこを改善すればいいのでしょうか?

まず、「自分の目的」を明確に捉えます。「相手に、“それ”を伝える目的」、つまり「自分は今、何のために“それ”を伝えようとしているのか?」ということです。「伝えたい具体的な内容」よりも前に、「そもそもなぜそれを伝えたいのか」という目的があるはずです。「何のために伝えるか」「何をしたくて伝えているのか」、この点を自分自身が理解していなければいけません。

あなたの目的は、状況を説明することかもしれません。また、相手に何かの行動をとってもらうことかもしれません。

説明することが目的の場合は、状況を伝えて、「以上、知っておいてください」で終わってもいいでしょう。しかし、行動してもらうことが目的の場合は、状況を説明した上で、「だから、あなたにこれをしてもらいたい」と言葉にしなければいけません。