集中の度合いが違う!

ただ、私には「長時間労働企業が、そのままリモートワークに突入すると、家で死ぬほど働いてしまうのでは?」という懸念がありました。取材に行き、その疑問を直接ぶつけてみると、懸念は払しょくされました。

「会社で8時というと、まだまだこれからという感じだった。でも在宅で8時まで働くと、もう遅くまでやったという感じがする」

これが、実証実験を経た人の実感です。集中の度合いが違うのでしょう。

実際にどんな生活になるのか、聞いてみました。

「会社以外では、自宅やカフェ、時間貸しオフィスを仕事場としています。リモートワークの日は主に、保育園から近くのカフェに行って仕事、お昼頃に帰ってきて昼食をとり、午後は自宅で仕事というパターンが多いです」(栗崎さん、1児の母)

「自宅でのリモートワーク時は書斎やリビングのダイニングテーブルで仕事をしています。2人目が産まれたばかりなのですが、朝8時に上の子を保育園に預けたあと、8時5分から仕事が始められるんです。昼12時まで集中すると、かなり疲れたなという感じになる。お昼は外食し、午後はカフェか自宅で仕事。週3回は保育園に迎えに行けるようになりました。また、毎週金曜日は、とある大学の社会人向け講義に通い始めました」(林さん 広報ブランド推進室室長 兼 「働き方変革プロジェクト」リーダー 2児の父)

ほかにも「大学でお世話になった先生を久しぶりに訪ね、担当している業務に関する最新の知見を得たり、意見交換ができて視野が広がった」「クリーニング屋に平日にいけるので週末のタスクが減る」「家で仕事をしていると、外に出て誰かに会いたくなるので、自らインプットの機会を探すようになる」などの意見がありました。