出会いの場としての職場を見直す

フランス女性は、オンか/オフか、白か黒か、という考え方はしません。「わたしはガチガチのビジネスウーマンよ!」でもなければ、「色気ムンムンのセクシーガールなの!」でもないのです。

だからといって、男性の女性に対する失礼なふるまいや、どう見ても不適切な言動が許されると言っているのではありません。職場での罪のない軽口や冗談はけっして悪いものではなく、会社生活をより風通しがよく、魅力的なものにしてくれるということを言いたいのです。

よく考えてみたら、職場でのあなたは、自分のいちばんいい面が出ているのではありませんか? 服装だってきちんとしているし、人からは能力のある、成熟した、しっかりした人間だと思われているのでは? 仕事関係で会う男性たちはどうでしょう?

仕事関係の男性からは、その人の本当の姿を観察することができます。上司や同僚との接し方。ストレスにはどうやって対処しているか。彼とはデートする関係ではありませんから、じっくり時間をかけてどんな人間かを見きわめ、先に進みたいかどうか決めればいいのです。さらに、職場という禁断の場所での恋愛や、それを秘密にしておかなくてはならないというシチュエーションが、ロマンスの炎をいっそう燃え上がらせてくれます。

ちょっぴりセクシーな格好で出勤したからといって非難されることはありません。フランスのテレビのニュースキャスター、クレール・シャザルは、毎晩8時のニュース番組に胸の谷間がはっきりと見える服装で出ています。「彼女は女性だ。女性だからバストがある。それを強調して何が悪い?」。フランスでは、女性のニュースキャスターはみな多かれ少なかれ胸の谷間を見せていますが、とやかく言う人は誰もいません。

※本連載は書籍『セクシーに生きる ――年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密』(ジェイミー・キャット・キャラン著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

ジェイミー・キャット・キャラン
アメリカ生まれ。フランス人である母方の祖母のもとで育ったアメリカ人女性。書籍『セクシーに生きる』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1067)は、リアルな告白エッセイとして高い評価を得、たちまちベストセラーとなり、10カ国以上で翻訳されている。ニューヨークタイムズ紙をはじめ多くの新聞雑誌に恋愛指南コラムを執筆するほか、ニューヨーク大学、エール大学、 UCLAでライティングの講座をもつなど、著作以外の活動も活発に行っている。マサチューセッツ在住、気象科学者の夫とともに暮らす。http://www.jamiecatcallan.com

訳=永峯涼