仕事がなくて胃がキリキリする日々も

03年にドレスショップの大阪店の立ち上げにマネジャーとして行くことになります。これが本当に大変で、あの時があったから今があると言えるくらいです。

それまでいた名古屋店は、多くのお客さまが来てくださる人気店でした。同じような考えで大阪に行ったら、まったくお客さまがいらっしゃいません。毎月、本社の会議に出ると「大阪はどうなっているのか?」と言われ、胃がキリキリしました。

スタッフのモチベーションを保ち、楽しく仕事ができるようにするには新規ご来店のお客さまを増やすしかないと思い、いろんな婚礼施設を回ってお客さまをご紹介いただけるよう提携のお願いをして歩きました。しかし、何社回っても断られます。電話のアポイントさえ取れない。大阪では認知度が低く、「ふ~ん、ノバレーゼってなに?」という感じでした。

本当に辛い時期でした。お客さまがいらっしゃらないからスタッフにさせることがありません。掃除ばかりさせるというわけにもいきませんので、今日は何をさせようか、明日は……と考えていたように思います。経費も抑えなければいけないので、事務所の空調や店舗の照明をこまめに調整して、少しでも無駄がないよう徹底的に取り組みました。

オープンして丸1年経ったころ、少し大きな婚礼施設と提携ができた瞬間から一気に新規ご来店のお客さまが増えていきます。忘れたころに、自分が以前資料を送った婚礼施設から「提携したいのですが」という電話がかかってくることもありました。

ところが2年経って、ようやく大阪店が軌道に乗ってきたころ、急に東京行きを言い渡されました。「えっ、今なの?」と思いましたが、代表が「東京だ」と(笑)。今度は、衣裳事業部長と東京のドレスショップの責任者との兼任です。そしてわずか2週間後には引っ越し。今ならあり得ませんね(笑)。

東京と大阪を何度も往復しました。まだ節約第一でしたから、新幹線をつかわずクルマに乗り合わせて移動するのはもちろん、ホテルも最安値をインターネット等で徹底的に探しました。