妻が大黒柱。僕たち家族のいいカタチ

「当初は、ご近所さんからも“穀つぶしと言われ、妻の実家の敷居も高く、肩身の狭い状況でした。難病で働けないものの、自分にも“男は働くものだ”という考えが残っていたので、妻を送り出した後、スーツを着て家事をしたり、周囲の目をごまかすため、スーツを着て買い物にも行くような生活が3年ほど続きました。でも、フリーランスでグラフィックデザイナーをしていた妻が優秀で、20代前半にして僕がシステムエンジニアをしていた時の収入をあっさり超えてしまったんです。僕が働くことを模索するより、バックアップに徹した方が、世帯収入を上げられると思ったんです」。

世間体を気にしながら主夫をしていた気持ちを切り替えるため、髪を金色に染めた。「家事をやるのは面白いこと。楽しく主夫をして、幸せな夫婦生活や家族の形を作ってもらえればと思います」と、一緒に登壇した妻と子供に囲まれ、「僕たちの家族のカタチ」を語る佐久間さんの話に、参加者たちは熱心に耳を傾けた。

ハッピーワークショップで「幸せ」を共有する

慶應義塾大学院SDM研究科ヒューマンシステムデザインラボ・前野隆司教授。幸福学の研究成果に基づいて、幸せ度を高める検証結果のある「ハッピーワークショップ」は人気の講座だ。

イベント後半は、『幸せのメカニズム』などの著書多数、慶應義塾大学院SDM研究科・前野隆司教授による、幸福度に影響する4つの因子を高めるためのワークショップだ。前野教授が提唱する幸せの4要因とは、「夢や目標を持つこと」「人に感謝していること」「前向きと楽観」「独立とマイペース」。反対に長続きしない幸せは「カネ・モノ・地位」だという。ワークショップでは、同席した男女が、これら4つの要因について自分の考えや経験を発表し、互いに意見を交換した。

和やかに盛り上がる参加者に、「主夫の友」の顧問を務める少子化ジャーナリストの白河桃子さんは、「条件だけを判断し合う、通常のお見合いパーティーはもう限界にきていると思う。お互いの幸せをしっかり考えて話し合うとカップリング率が高い、という研究結果もあります」と、企画意図を語ると同時に、婚活へ熱意をかける参加者たちにエールを送った。