●体育会系のノリについていくのが大変

居心地のよさではひけをとらないのが、工作機械などを扱う専門商社の山善だ。1947年創業の東証1部上場企業ではあるが、女性従業員比率は30%弱に対し勤続年数は6年少々、役職者比率は1%未満。昔の腰掛け企業の面影を残している。

20代の女性社員Bさんは、職場の雰囲気をこう語る。

「良くも悪くも体育会系的なノリの男性社会の会社。飲み会も多いですし、このノリについていくのは結構大変です。女性のほとんどは、営業アシスタントか一般事務職。総合職で入る女性が極めて少ないし、女性の管理職もいません」

創業者は1970年代に小説『どてらい男(ヤツ)』の主人公のモデルになり、テレビドラマ化されたことでも有名だ。まさに同社の社風を物語る作品だった。

職場は90年代以前の総合商社のイメージだが、女性社員の居心地は悪くない。給与制度も年功的で毎年の定期昇給もある。

「男性陣は体力にものをいわせて遅くまで仕事をしていますが、管理系の女性は定時に帰れます。帰りが少しでも遅くなると、逆に気をつけてねと声をかけてくれる。仕事で困っているときも、積極的に手伝ってくれます。すいませーん、わかりません、とちょっとぶりっこするだけでやさしく接してくれるんです」

職場全体がアットホームな雰囲気のせいもあるのか「社内恋愛から結婚に発展するケースも多いです。結婚後は女性のほうが退職するというパターンが多い」という。

格付けの構成、解説=海老原嗣生 文=溝上憲文 編集協力=砂塚美穂、池田純子 取材協力=転職・就活に役立つ企業口コミサイト「キャリコネ」