建築は地図に残る仕事。その建築物をつくる現場の醍醐味はチームワークだと廣作さんは言います。一方で「この仕事が本当に好きだ」と実感する瞬間があるとも。その瞬間とは?

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建設現場の醍醐味はチームワーク

大成建設に入社して初めての仕事は、駅前の再開発施設の地下の施工だった。

大成建設 東京支店 1級建築施工管理技士 廣作利香さん

あらゆるサイズの鉄筋、それを束にして軽々と持ち上げて運ぶ作業員たち、さまざまな種類の工具や機械――。

「とにかく見るものすべてが新鮮で、毎日が本当に楽しくて」

特に、コンクリートの打設作業を当初の計画通り、流れるように進められたときの現場の一体感は格別だった。この仕事の醍醐味(だいごみ)を感じずにはいられなかった。

「それに工事を終えて建物を引き渡したとき、お客さまが喜んでいる姿を見ると本当にうれしいんです。その場面に繰り返し立ち会いたくて、ここまで来たように感じています」

入社当初は女性社員に対する周囲の遠慮を感じたこともあったが、「それも最初の頃だけ」。尊敬できる先輩にも恵まれ、時に紅一点となる環境にハンディを感じることもほとんどなかったという。

建設の現場で何より重視されるのはチームワークだ。限られた予算と定められた工期の中で、一つ一つの工程をいかに順序よくこなすかを、廣作さんは常に考えてきた。

「やるべきことをしていれば、どの現場でも、すぐに仲間として受け入れられる。そんな職場でもあるんです」