情報非開示企業に、アンケート調査を実施

今回の企業分類(※)のもととなった、企業調査で定評のある東洋経済新報社の「就職四季報 女子版」(2016年版)には、1106社もの企業の調査データが掲載されています。

※企業分類とは、ウーマン編集部が独自に格付けした6つの企業タイプのこと。詳しくはこちら(http://woman.president.jp/articles/-/788

もちろん、その全部の会社が、ここで取り上げた9項目(※)について回答しているわけではありません。項目によっては、回答企業が半数強にまで少なくなるものも見られました。

※ここで取り上げた9項目とは……女性従業員比率、新卒総合職の女性比率、新卒3年定着率、平均勤続年数、役職者の女性比率、有給消化年平均日数、女性社員の既婚率、女性社員の有子者率、有給取得者の割合

ただ、ほとんどの企業は、何かしらの項目では数字を公開しています。

ところが、働き方にまつわる9項目について、すべて「非公開」という企業が、ホンの少数ありました。

表の14社です。1106社の中の、実に、1%強のレアな存在です。

この14社のうち、なんと12社が上場企業となります。企業の社会的責任(CSR)や情報公開が叫ばれる中、そうした風潮の先頭を走るべき大手企業が、情報を非公開というのは、とてもいただけないことでしょう。

編集部としては、何かの事情があって、四季報には掲載できなかった可能性もあると、独自に9項目について、ここに挙げた企業の広報にアンケートを依頼しました。

人気企業でも非回答のナゾ

その結果、3社からはあらためて情報が寄せられました。

が、残り11社はやはり情報は非公開、そのうち4社は返事なし、という状況です。

事情があって、いくつかの項目が公開できないというのならわかります。ところが、ここに挙げた企業は、たった1つも答えていないのです。それが世の主流ならまだしも、1106社のうち、約99%の企業は何らかの公開をしているにもかかわらずです。

11社の顔ぶれを見ると、情報が命のマスコミが2社、企業情報を分析する立場のコンサルティングファームが2社、そして、企業の内情を一番よく知る金融業が4社……。なんと、直近3年の「就職人気企業ランキング」(日本経済新聞社)に登場した企業が5社にもなります。決して他社に劣る内容ではないはずなのに……。この特集を読んでいる読者の皆さんは、この11社についてどう考えるでしょうか。

格付けの構成、解説=海老原嗣生 編集協力=砂塚美穂、池田純子