疎遠になっている知人から突然連絡があったら、注意したほうが良いかもしれない。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「疎遠な人から持ち込まれるビジネス案件は、ほぼすべてが怪しい。彼らには共通の勧誘ワードがあります」という――。
カフェで話したりリラックスしたりする中期の大人のカップル。
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怪しいビジネス案件をどう見抜くか

フリーのファイナンシャル・プランナー(FP)を長年やっていると、投資話だけでなく、ビジネス案件の勧誘を受けることも少なくありません。

ただ残念ながら、「こいつを上手く利用してやろう」との魂胆が見え透いているものや、「これはほぼ詐欺だろう」というものも少なくありません。それらを見抜けるようになったのは、これまでさまざまなビジネス案件に乗って、失敗してきたからに他なりません。

そんな経験から、怪しいビジネス案件の勧誘の際、彼らがよく使う言葉があることに気付きました。

先日、かつて仕事でお世話になった知人から、「久々に会わないか」との連絡があり、数年振りに再開しました。

プロテイン販売を、「一緒にやらないか?」

大きな紙袋を持って現れた彼は、近況報告もそこそこに、「新しいビジネスを始めたんだよ」と、その紙袋からおもむろに大きなボトルを取り出し、「このプロテインが、いいんだよ」と。私は内心、「おお、(やはり)そうきたか」と思いつつも、お世話になった人だし、プロテインは嫌いではないし、ご祝儀として、ちょっとくらいなら買ってあげてもいいかな、とは思いました。

しかし、彼が次に発した言葉は、「(プロテイン販売ビジネスを)一緒にやらないか?」でした。

そして矢継ぎ早に、コミッションだのボーナスだの、その報酬体系について滔々とうとうと語り、「お互いに、ウィンウィンの関係だよ」とのこと。ただ、この「一緒にやらないか」「ウィンウィンの関係」との言葉に、私のテンションはサーと下がり、そして、一気に警戒感を高めるのでした。