ビジネス案件で失うのは「お金」だけではない
投資の失敗は基本的に「お金」だけで済みますが、怪しいビジネス案件に手を出しての失敗は、「お金」以外にも「信用」を失う可能性もあります。この場合、人生におけるダメージは計り知れません。実際、私の周りでもネットワークビジネスに手を出し、周りに迷惑を振り撒き、音信不通になっている人もいます。
それを思えば私の場合、若い頃に、致命的な傷を負わない程度に、「一緒にやろう」の洗礼(?)を受け、失敗経験を積めたことは良かったと思っています。もし、経験の浅い段階で、「一緒にやろう」との耳障りの良い言葉に乗せられ、質の悪いビジネス案件に手を出していれば、今では、(悪い意味で)別の人生を歩んでいたかもしれません――。
ちなみに現在、私のもとにやってくる、さほど親しくない(疎遠な)人からの一方的なビジネス案件に関しては、ほぼすべてが怪しい(もしくは魅力的ではない)案件と言っても過言ではありません。
もちろん、それらはすべて断っておりまして、前述のプロテインビジネスも丁重にお断りしました。
一方で、それなりに親しい(普段からよく会っている)人からのビジネス案件には、それなりに魅力的な話もあり、中にはご一緒しているものもあります(そして、それなりに成果は上げている)。
その意味では、普段から付き合う人をしっかり選ぶことも、怪しい案件に引っかからないための、大きな予防策にもなるわけですね。
もっとも、それも非常に難しいことではありますが。
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。