マイナンバーとの関係は?

ところで、2015年末に提出する最新版の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には「あなたの個人番号」を書く欄があります。個人番号とは、現在通知が行われているマイナンバーのこと。マイナンバー制度の運用開始は2016年からですが、なぜ2015年に提出する書類に個人番号を書く欄があるのでしょうか?

それは2015年末に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は「平成28年(2016年)分」であるからです。そのため個人番号を書く欄がありますが、2015年の年末調整では記入する必要はありません。ただし、会社の判断により記入させることもできます(国税庁webサイト、「国税分野におけるFAQ」Q2‐11より。https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/04kokuzeikankei.htm)。実際の運用としては、2015年の年末調整については、「マイナンバーの記入は不要」と社員に伝えている企業も見られます。

では、なぜ2015年に「平成28年(2016年)分」の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなければならないのでしょうか? それは「平成28年(2016年)の最初の給与の支払いを受ける前日までに、給与の支払者に提出する」という決まりがあるからです。どういうことかと言うと、会社は毎月、給与を支払うときに所得税を源泉徴収しますが、その計算時に扶養控除の有無や金額を知る必要があるのです。そのため例えば、毎月25日が給料日の人は、1月24日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなければならないのです。

ちなみに、一方の「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」は、今年1年間の保険料などの控除を申請するものなので、今年提出するものは「平成27年(2015年)分」です。2枚同時に提出していますが、実は別の年が書かれているのですね。そのため、こちらにはまだ個人番号を書く欄がないのです。

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「個人番号カード 総合サイト」にある「通知カードの郵便局への差出し状況」のページでは、市区町村ごとの郵便局への通知カード差出し状況が確認できる。

また、マイナンバーがまだ届いていないという方は、まずは「個人番号カード 総合サイト」にある「通知カードの郵便局への差出し状況」のページで、住民票がある市区町村の状況を確認してみることをおすすめします(https://www.kojinbango-card.go.jp/cgi-bin/tsuchicard/jokyo.cgi#pref13)。