世界30カ国に、私と同じようなCEO for One Monthがいます。インターン期間の1カ月が終了した後に、この中から10人が選ばれ、スペインで行われるブートキャンプ(合宿)に行くことができます。そしてまたその中から1人が選ばれて、グループのCEO for One Monthとして1カ月間、グループCEOに付いて仕事を学ぶことができます。日本のアデコの社員の皆さんは、「日本のCEO for One Monthをブートキャンプに出そう」と、私をサポートし、応援してくださいました。とてもうれしい反面、「その応援に見合う実績を挙げなくては。10人の枠に選ばれなくては」というプレッシャーもありました。

大学の授業とは全然違う! 本物の事業戦略立案

インターンながら、CEO for One Monthには個室のオフィスが用意されていた。しかし久乗さんはそこに閉じこもることなく、社内外を飛び回った。

私は経営学部に籍を置いているので、授業の課題として事業戦略を作ったことはありましたが、アデコでCEOとして作る事業戦略は重みが全然違いました。大学での事業戦略はグループで作るので、皆で相談して決めればいい。でもCEOは、自分で決断しなくてはなりません。

私は決断力がないのです。人に話を聞くと、影響を受けて流されてしまいます。いろいろな情報のどこにフォーカスすればいいのかすら、なかなか決められませんでした。でも、日本や、アジアのアデコの役員の方から、「市場のトレンドをしっかりつかむ必要がある」「CEOは足下の細かい点よりも、全体像をイメージとして全社員に伝えなくてはならない」などのアドバイスをいただいたことが、とても役立ちました。それから、「20代なのだから、その年代ならではの視点が欲しい」とも言われました。