登場の仕方で「信頼できる人」を演出する

プレゼンテーション本番。会議室や会場に入場する時、皆さんは身体のどの部分を意識して、どの部位から会場に入りますか? プレゼンテーション前だからと資料や進行だけに集中していては、折角オーラを感じさせるタイミングを逃しています。入る時の姿勢は、非言語メッセージ(言葉以外で伝わる身体的メッセージ)として、相手に届いていることを忘れずにいましょう。

まず、頭から前傾姿勢で入る人は“知性”を感じさせるものの、“強さ”はあまり感じさせられません。特に下を向いていたり、ペコペコと頭を下げながらの入場は、服従や愛嬌という非言語メッセージにもつながります。若手芸人の方が、腰をかがめ前傾姿勢で入ってくる姿がその例として挙げられます。

次に、腰から入る人の典型的なタイプとしては、ファッションモデルや権力者を思い浮かべてみてください。腰から前に出るということは上半身がそり、後ろ重心になるため、歩くたびに身体が揺れ、気だるさや優雅な印象を与えます。さらに激しく動きをつけると、いわゆるチンピラ歩き。強さをことさらに強調することになりますが、ビジネスプレゼンテーションでは相応しくありませんね。

三つ目は、胸を張って入るタイプです。これはバレリーナなど舞踏家、そして成功したビジネスパーソンの入り方です。頭を高く掲げるため、周囲を見回しやすいという利点もあります。注意してほしいのは肩を怒らせないこと。胸を張り、肩を怒らせると軍人のような「いかつさ」が出てしまうからです。頭を高く掲げ、胸を張り、肩の力を抜いてリラックスすることで、優雅な自信を感じさせましょう。頭の中でバレリーナをイメージするとよいでしょう。

「立ち居振る舞い」で性格が変わってくる

以前、私のプロジェクトの入社1年目のメンバーでとても姿勢がよい人がいたのですが、クライアントから「立ち姿にプロ意識が出ている。弊社の若手社員とは全く違う」というお褒めの言葉をいただきました。このように姿勢は自信や意思を表現し、プレゼンスの向上にとても重要な役割を果たします。

よく「私は緊張しやすいから、堂々と振舞うなんて無理」と言う女性がいますが、逆だと考えてください。「性格が立ち居振る舞いを決める」のではなく、「立ち居振る舞いで性格が変わってくる」のです。背中を丸めていれば、負のオーラが出て自分の気持ちも暗くなります。背筋を伸ばし、胸を張り、肩の力を抜いていれば、自信が湧き、堂々とした気持ちになっていくのです。性格は中々変えられませんが、立ち居振る舞いは今からでも変えられます。魅せるオーラは自らつくっていくのです。