女性の働き方が老後資金のカギを握る
さて、ここで使ったモデル年金額は、専業主婦の家庭を想定しています。これは、妻がずっと仕事を持たなかったり、パートやアルバイトなどで厚生年金に加入しない働き方をした場合です。厚生年金は1年以上加入すればその分をもらえるので、それだけ妻の年金が増え、準備すべき老後資金も少なくて済むはずです。
もしこのケースで妻が厚生年金を月2万円(夫の厚生年金の1/4強)もらえるとすれば、必要な老後資金の目安は単純計算で576万円(2万円×12カ月×24年)減って、3020万円から2444万円に減少します(夫の死後に妻が遺族年金を受け取ることは考慮していません)。
また、夫婦がずっと共働きを続け、妻が夫と同額の厚生年金をもらうとすれば、状況は大きく変わります。夫婦の年金額は17.8万円+7.3万円で25.1万円に増え、毎月の生活費26.5万円の大部分をカバーできます。必要な老後資金の目安は、2102万円(7.3万円×12カ月×24年)減って、918万円まで減少することに。さらに、この場合は妻も退職金をもらえる可能性があります。もし妻の退職金があれば、老後の生活にはずっと余裕ができるでしょう。
妻がどんな働き方をするかは、それぞれの家庭の状況や考え方によって決めることです。ただ、老後資金に限っていえば、できれば厚生年金に加入する働き方をしたほうが将来は安心。また、厚生年金に加入しなくても、妻がどんどん働いて収入を増やしたほうが老後資金を貯めやすいのは言うまでもありません。