老後のお金がいくら足りないかザックリ計算
では、年金不足を補うために、私たちはどれぐらいの老後資金を準備すればいいでしょうか。
必要な老後資金の額は家庭ごとに違いますが、ここではイメージを掴むため、平均値を使ってザックリ計算してみます。
現在40代以下の人のほとんどは、65歳になるまで年金はゼロ。このため、65歳までは働いて生活費を稼ぐことが前提です。
(1)毎月の生活費はいくら足りない?
年金の額は、厚生労働省の予測から最悪のケース「夫婦の年金月17.8万円」を使います。また、毎月の生活費は、総務省『家計調査』による65歳以上の夫婦世帯の平均支出額から月26.5万円とします。
▼毎月の不足額→26.5万円-17.8万円→8.7万円
(2)年間の不足額を計算する
▼年間の不足額→8.7万円×12カ月→105万円
(3)生涯で生活費がいくら不足するか計算する
男性より女性のほうが寿命が長いので、女性の寿命に合わせて計算します。65歳女性の平均余命(その年齢の人が平均あと何年生きるかを示す)は24年なので(厚生労働省『簡易生命表』2014年)、ここでは年間不足額の24年分を見積もります。
▼生涯の年金不足額→105万円×24年→2520万円
(4)老後資金の目安を計算する
住宅の修繕費や葬式代など、生活費以外に必要な費用を加えます。ここでは500万円をプラスすることにしました。この金額が老後資金の目安になります。
▼必要な老後資金の目安→2520万円+500万円→3020万円
(5)退職金以外に貯める目標額を計算する
65歳までに貯める金額の目標は、ここから退職金を引いた額です。2013年の定年退職金の平均額は大卒で1941万円(厚生労働省『就労条件総合調査』2013年)。ここでは、この額を引くことにします。
▼退職金以外に貯める目標額→3020万円-1941万円→1079万円
年金額や生活費の額は、家庭によってまったく違います。また、退職金も会社によって制度はそれぞれ異なります。わが家の状況に合わせてあてはめる数字を変えれば、わが家に必要な老後資金の大きさが見えてくるはずです。ここでは、老後資金を計算するときの手順を頭に入れていただきたいと思います。