認可の保育料は年齢・世帯所得・保育時間認定で決まる
認可の保育料は、市町村ごとに統一料金が決められていると言いましたが、実は保育料は人によって違っています。認可では、世帯所得(住民税額)に応じた保育料額が設定されているからです(応能負担)。これは、家庭の経済状態にかかわらず保育を必要とするすべての子どもに良質な保育を保障するために考えられたしくみなのですが、皮肉なことに、待機児童の多い地域では認可保育園の数が足りなくて、その趣旨を活かせていない状況です。
新制度になってから、保育時間が2区分に分けられ、基本の保育料に3%程度の差が設けられました。基本保育料で「保育標準時間」は1日11時間まで、「保育短時間」は1日8時間までの保育を利用できることになっていて、それを超えるとどちらも延長保育料がかかります。しかし、「保育短時間」の基本保育料は「保育標準時間」と月額で数百円~千数百円程度しか差がなく、「保育短時間」認定だけれども帰る時間が不確定な人などは延長保育料で「保育標準時間」の基本保育料を上回ってしまうことがあるので、要注意です。保育時間認定で困ることがあるときは、自治体の窓口で相談してみてください。
延長保育料は施設ごとに月額や1回ごとの額で決められています。
実は、認可の保育料は自治体ごとの差もあります。新宿区と大阪市を例にとってグラフにしてみました。保育標準時間の保育料を3つの階層でとらえています。東京都内の市区町村は全国水準に比べて、中間的な階層の保育料を大幅に軽減しているのが特徴的です。