成功の要素2:資料だけではない!? 「コンテンツ」のキモ
2つ目の要素【コンテンツ】も更に3つに分解して考えます。「シナリオ」、「資料」、「Q&A(質疑応答)」です。
まず、シナリオとは、メッセージとストーリーのことです。プレゼンテーションは、相手の状態に変化を起こして、相手にやってみようと思わせることがゴールです。相手の変化をデザインしていきます。シナリオがなく資料作りに没頭するのは長時間労働是正の観点からもお薦めしません。
重要であると思われがちな資料はプレゼンテーションの主役ではありません。主役はあくまでも話し手であるあなた自身です。英語では、プレゼンテーションにおけるパワーポイント資料のことを「ビジュアルエイド」という言い方をします。「理解を助ける視覚的なもの」という意味です。自分と主張を引き立てる資料を作れるようになりましょう。
そして、Q&Aは「質疑応答を征するものはプレゼンテーションを征する」と言ってもよいくらい重要なものです。説明をしっかり練習して上手くいったとしても、鋭い質問をされてしどろもどろになってしまっては、プレゼン全体の信頼性がなくなります。プレゼンテーションはお芝居ではありません。聞き手との対話です。聞き手がどんな疑問を抱くのか、それに対してどう回答したら満足されるのか。Q&Aまでしっかりとデザインして臨みましょう。
■コンテンツを技化する鉄則:「ツカミとオチ」
コンテンツを技化する鉄則は、「ツカミとオチ」です。お笑いのように感じられるかもしれませんが、相手の興味関心をしっかりツカみ、相手が腹オチするまでメッセージを浸透させる内容にするという意味です。前回で述べたように「資料作成9割」になって失敗してしまう人は、ツカミとオチを考えずに、必要と思われる情報をひたすら文書化していってしまうため資料枚数ばかりが増え、「それで言いたいことは何?」と思われてしまうのです。ツカミとオチのシナリオをきっちりとデザインできれば、必要でない情報もしっかりと見えてきます。場合によっては、たった1枚のスライドで変化を起こせることもあります。まずはツカミとオチを徹底的に意識してコンテンツを考えましょう。