時には突き放すことも必要

ここで誤解してほしくないのは、包容力とは、「男性の“こうあってほしい”という願望を、何でも受け入れる」とは違うということ。これは、決してやってはいけません。

女性が結婚を迫らないからといって、男性が女性を軽く扱うことを許してはいけないのです。「夫婦ではないのだから、私はあなたの要求に応えることはできません」と、断る勇気も時には必要となります。

「あなたの妻ではないから」と、あえて突き放すニュアンスを伝えなければならないのは、なぜでしょうか。

それは、「私にとって、あなたはまだ他人なんです」と伝えることで、男性に独り身の寂しさを実感させるためです。そして「この女性を独占するには、結婚しかないのだ」と思い込ませるのです。

ここで大事なことがひとつ。「あなたの妻ではないから」という台詞は、結婚をせがむ手段としては絶対に使わないでください。逆効果にしかなりません。あくまで冷静に、相手を突き放すために使うのです。

冷静にこのことを伝えられるようになれば、男性は「彼女は結婚に対して冷静な目を持っていて、僕にプレッシャーをかけてこない女性だ」と安心します。そして安心しながらも「もし結婚したら、今は“あなたの妻ではないから”という理由で許されていないことが手に入る」ことにも気づく。男性は欲張りで独占欲が強いので、安心だけではなく、その“夫にしか許されないこと”も手に入れたくなるのです。

男性を安心させながら、結婚への意思固めをさせることが、あなたを結婚に近づけます。年上らしく冷静に、ですよ。成功を祈ります。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。