結婚するなら断然年下!

私の結婚相談所では、40歳前後未婚女性のうち、なんと半数以上の人が年下の男性を希望します。

理由は2つあります。まず女性が実年齢よりも若々しいから。同世代の男性がおじさんに見える、若い人との方が話が合うという声をよく聞きます。もうひとつは、男性が年上だと亭主関白な振る舞いをされて、仕事を続けられないのではないかと心配するから。20代、30代の男性の約8割が、共働きを希望しているという調査結果もありますので、年下の男性の方が共働きに理解がありそうと考えるのには納得がいきます。

実際のところはどうなのでしょうか。厚生労働省2013年人口動態調査の初婚同士の夫婦の年齢を見ると、妻が34歳以上になると年下夫との結婚がほぼ4割を超えます。また妻が41歳以上になると、ほとんどの年齢層で年上夫と結婚する割合より年下夫と結婚する割合の方が多くなります。

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【グラフ・上】男性は年齢が上がるほど共働き肯定派が増えるが、女性は逆に減る傾向がみられる。【グラフ・下】グラフ内の夫妻の年齢は、結婚式をあげた時または同居を始めた時の年齢。

私も結婚相談所の現場で、年下男性との結婚を成功させた女性を何人も見てきました。そして彼女たちに共通点を発見したのです。聞きたいですか?

しかしその前に、そもそも考えなければならないことがあります。それは「彼ら年下男性たちは、なぜあえて年上女性と結婚したのか」ということです。同年代でも、年下でもなく、なぜ若くない女性を選んだのか。言い換えれば「年上女性が持つ魅力とは何か?」ということです。

年上女性の魅力とは何か

結論を一言で言うと、それは「安心感」です。「この女性といると安心できる」という気持ちを与える力があればあるほど、年下男性との結婚の道が開けます。

でも、安心感というだけでは、抽象的過ぎますよね。具体的にはどういうことなのか。ここからは男性が欲している安心感を、3つのポイントから説明します。

【1. 精神的な安心感】
これは「男の心の余裕」とも言い換えられ、女性から「私のことを構って!」「私を受け止めて!」という振る舞いをされないことで保たれます。例えば、「返信が遅い!」「次のデートはいつなの?」というような詰問口調の要求や、「なぜ電話をかけてこないの?」というような尋問。男性にとっては「面倒くさい」以外の何物でもありません。程よく放っておいてくれて、仕事が忙しくて連絡が遅くなっても責められず、ストレスのない恋愛ができること。この状態が、男性の精神的な安心感につながります。

【2. 経済的な安心感】
若くて年収が低い頃に、「家族を養う責任がある」という考えから、男性が結婚を躊躇するケースはかなり見られます。しかし、ある程度貯蓄も収入もある年上女性がパートナーならば、家族を養うプレッシャーをシェアすることができます。いざという時に、助け合える経済力が妻にあり、家族が露頭に迷うことがないという安心感は、男性が結婚に踏み出すのにかなりプラスに働きます。

【3. 結婚のプレッシャーをかけてこない安心感】
年下と結婚したい年上女性に戦略的にやってほしいのが、これです。“あえて”結婚へのプレッシャーをかけないということなんです。この項目は、年上女性にとって一番難しいことですが、やはりこれができている人たちが年下婚を成功させています。「1.精神的な安心感」にもつながるのですが、「結婚をしたい!」ということをあからさまにすると、女性側からも精神的な余裕がなくなります。

年上女性の魅力であり、同世代や年下女性にないものは「男性側の置かれている状況をよく見て、嫌なところもできていないところも優しく包み込む包容力」です。男性がその包容力を感じる時、「誰よりも何よりも、この女性と一緒にいると安らぐから結婚しよう」という気持ちになるものです。「結婚したい!」という焦りを全面に出すと、精神的な余裕を失うと同時に、年上女性ならではの良さも失ってしまうので心してください。

時には突き放すことも必要

ここで誤解してほしくないのは、包容力とは、「男性の“こうあってほしい”という願望を、何でも受け入れる」とは違うということ。これは、決してやってはいけません。

女性が結婚を迫らないからといって、男性が女性を軽く扱うことを許してはいけないのです。「夫婦ではないのだから、私はあなたの要求に応えることはできません」と、断る勇気も時には必要となります。

「あなたの妻ではないから」と、あえて突き放すニュアンスを伝えなければならないのは、なぜでしょうか。

それは、「私にとって、あなたはまだ他人なんです」と伝えることで、男性に独り身の寂しさを実感させるためです。そして「この女性を独占するには、結婚しかないのだ」と思い込ませるのです。

ここで大事なことがひとつ。「あなたの妻ではないから」という台詞は、結婚をせがむ手段としては絶対に使わないでください。逆効果にしかなりません。あくまで冷静に、相手を突き放すために使うのです。

冷静にこのことを伝えられるようになれば、男性は「彼女は結婚に対して冷静な目を持っていて、僕にプレッシャーをかけてこない女性だ」と安心します。そして安心しながらも「もし結婚したら、今は“あなたの妻ではないから”という理由で許されていないことが手に入る」ことにも気づく。男性は欲張りで独占欲が強いので、安心だけではなく、その“夫にしか許されないこと”も手に入れたくなるのです。

男性を安心させながら、結婚への意思固めをさせることが、あなたを結婚に近づけます。年上らしく冷静に、ですよ。成功を祈ります。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。