保育園はライフライン=インフラである

まずこれは目黒区だけの話でもないが、保育園はいつから預けてもいいはずが、実際には4月入園が基本。そのためには前年12月時点での“点数”が問われる。認可保育園に入れたいなら、12月の時点で復職していないとほぼ無理だという。そこで無認可でもいいのでなんとか子供の預け先を見つけて12月までに復職する。それが“基本要件”になっている。

復職するための保育園のはずが、先に復職して別の保育園に子供を預けねば認可保育園に入れない。そんな本末転倒を甘んじて受け入れざるをえない現実がある。

話を聞いたママさんの場合、1人目のお子さんについて“基本要件”をクリアしても認可保育園に入れず、なんとか認証保育園が見つかったが、そこは2歳児までしか預かってもらえない。そこで、翌年4月の認可保育園入園を目指して、ちょっと高額な無認可保育園を併用し、週2日と週3日に分けて利用している。そんな中で2人目を生んだが、5月生まれなので12月までの復職は早すぎる。そのため仕事への復帰を諦めかけているという。

また別のママさんは、同じように苦労を重ねても目黒区内で子供の預け先が見つからず、ついに横浜市に引っ越した。持ち家だったのでご主人とケンカ寸前の議論になったが理解してくれたそうだ。

そうやって聞くと、いま保育園に預けているママさんもそれぞれ仕方なく、あるいは無理をしているケースが多いと想像できる。認可保育園に預けるには、大学受験もびっくりのテクニックを駆使せねばならない。それもこれも保育園が全く足りないからだ。

“女性が輝く社会”をこの国は目指しているはずだ。なのに、働いて輝こうにも保育園が足りなすぎる。もう我々は、保育園はインフラだと考えるべきなのだ。ガス・電気・水道がなければ暮らせない。同じように、住んでいる町に当たり前のように保育園がないと、若い家族は暮らせないのだ。

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「保育園を考える親の会」ホームページ(外部リンクにとびます)
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