“食わず嫌い”を食べてみる
たとえば、AかBかという選択をせまられたとき、どちらが正解かなんて事前には分からない。後になってBが正解だったと思っても、Aを選んだのであれば、Bを選んだ場合よりも、今の自分の幸福度を高い状況にしていくしかないんです。
だって、世の中はほとんどのことがままならないじゃないですか。思い通りになることなんてそんなにない。だったら自分で選んだことを自分のできる範囲で正解にする。それしかないのかなと思っています。
このとき「私はこれじゃなきゃだめ」、「私はこういう人間だから」と自分の有り様を決めつけるのは絶対にやめたほうがいい。視野狭窄に陥って、本当に大事なことが見えなくなる恐れがある。周りの人からしても「あの人、イタくて怖い」っていう印象を持たれてしまうので。
あと、30歳を過ぎたら食わず嫌いをやめてみるということも、ぜひやっていただきたい通過儀礼の1つ。それまで「できっこない」「絶対に嫌」「苦手」と思っていたことを30歳過ぎたら敢えてやってみるんです。30歳過ぎると、誰も「それをやりなさい」とは注意してくれなくなる。だから敢えて自分でやってみるんです。
30歳を過ぎるころになればある程度、財布にも心にも余裕ができる。自分自身をあらためて見つめ直すことができるだけの分別が身についている歳だし、そこで悪あがきをしてみるのも大切な経験だと思います。だって、自分という容れ物が30半ばの大きさなのに、中身が20代だと、それはもう怖いでしょ。やばいでしょ。自分自身を俯瞰したほうがいいですよ。何ができるのかを判断するのは、主観ではなく客観であったりもするから。
やってみると意外と楽しかったり、上手にできたりするかもしれないし、逆にやりたいと思っていたことをやってみたら居心地が悪く、つまらない、性に合っていなかったということもあるでしょうけど。