3回シリーズでお送りしている、ジェーン・スーさんの“JS流 平成サバイブ術”の最終回。目の前のことばかりにとらわれず、広い視野を持てば、自分にとっての幸せがおのずと見えてくる!

隣の芝生が青く見える。自分の芝生はどうだ!?

女性のライフスタイルは、結婚や出産によってがらりと変わりますよね。結婚して子どももいて、それでも仕事をバリバリこなしている人と比較して「なんで自分は、ああなれないんだろう」とか、「仕事を辞めて家で子育てしているけど、これでいいのか?」とか、自分と違う生活をしている人を見て、心がへこんだりすることもあるでしょうね。

未婚のプロこと、ジェーン・スーさん。俯瞰する力と柔軟性が、人生をよりよくするヒントだと、ジェーンさんは語ります。(取材協力:ウェスティンホテル東京 龍天門)

女性には、結婚している/ない、働いている/ない、子供がいる/いないという条件をかけ合わせると、8パターンの生き方があるわけです。自分が歩んでいる人生以外に、少なくとも7パターンあるわけですから、どうやら隣の芝生はことごとく青く見えるようになっているのでしょう。

今の暮らしが自分に合っていないと思うのなら、状況を変える努力をしたほうがいいと思います。そうでなければ、自分と違うパターンを歩んでいる人を羨ましがったり、妬んだり、そうじゃない生き方を選んだ自分を恨めしく思っても仕方がないじゃないかと。自分が選んだものに対して、劣等感をおぼえる必要はまったくないと思うんですよ。

“食わず嫌い”を食べてみる

たとえば、AかBかという選択をせまられたとき、どちらが正解かなんて事前には分からない。後になってBが正解だったと思っても、Aを選んだのであれば、Bを選んだ場合よりも、今の自分の幸福度を高い状況にしていくしかないんです。

だって、世の中はほとんどのことがままならないじゃないですか。思い通りになることなんてそんなにない。だったら自分で選んだことを自分のできる範囲で正解にする。それしかないのかなと思っています。

このとき「私はこれじゃなきゃだめ」、「私はこういう人間だから」と自分の有り様を決めつけるのは絶対にやめたほうがいい。視野狭窄に陥って、本当に大事なことが見えなくなる恐れがある。周りの人からしても「あの人、イタくて怖い」っていう印象を持たれてしまうので。

あと、30歳を過ぎたら食わず嫌いをやめてみるということも、ぜひやっていただきたい通過儀礼の1つ。それまで「できっこない」「絶対に嫌」「苦手」と思っていたことを30歳過ぎたら敢えてやってみるんです。30歳過ぎると、誰も「それをやりなさい」とは注意してくれなくなる。だから敢えて自分でやってみるんです。

30歳を過ぎるころになればある程度、財布にも心にも余裕ができる。自分自身をあらためて見つめ直すことができるだけの分別が身についている歳だし、そこで悪あがきをしてみるのも大切な経験だと思います。だって、自分という容れ物が30半ばの大きさなのに、中身が20代だと、それはもう怖いでしょ。やばいでしょ。自分自身を俯瞰したほうがいいですよ。何ができるのかを判断するのは、主観ではなく客観であったりもするから。

やってみると意外と楽しかったり、上手にできたりするかもしれないし、逆にやりたいと思っていたことをやってみたら居心地が悪く、つまらない、性に合っていなかったということもあるでしょうけど。

ストレス解消は、くだらないほど効く!

私ね、病的に仕事が好きなんです(笑)。でも、仕事を詰め込み過ぎて、過積載のときはストレスですね。そんなときは、暴れますね、もう暴れまくる(笑)。「仕事やりたくなーい!」「全部いやー!」とか言って。床を転げ回ったり、友人に八つ当たりしたり。最高にくだらないことを1人でやってみたり。

たとえば、眉毛をつないで描いてみる。そんな顔の状態で真剣に悩んだりしていると、だんだん面白くなってくるんです。あるいは、泣いている自分に「いいぞ、私、泣いてる泣いてる」と思いながらガンガン泣いてみたり。そうこうするうちに、小1時間くらいでスッキリします。こうしたばかばかしいガス抜きは本当に大事で、ストレス解消にとても有効なんです。

このとき誰かを責めるとか、何かを批判してもだめ。「普通こうじゃない?」「あの人のこういうところがだめだよね」と、まるで私は全部ちゃんとやっているけど、他人や物事が悪い、という屁理屈を考えても決してストレスは解消しません。完全に無意味でわがままで、ばかばかしいことを言うことが重要になる(笑)。

もちろん、言う相手は選んだほうがいいですよ。言ってはいけない悪態をぶちまけられても、それを笑いとして受け止めてくれる友達を確保しておきましょう。前向きに私らしく働き続けるためには、きちんとストレスを放電すること。私にとってはそれが何よりの秘訣ですね。

ジェーン・スー
東京生まれ東京育ちの、生粋の日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。音楽クリエイター集団agehaspringsでの活動に加え、TBSラジオ「ジェーン・スー 相談は踊る」をはじめとしたラジオ番組でパーソナリティーやコメンテーターを務める。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)がある。TBSラジオの番組をまとめた『ジェーン・スー 相談は踊る』(ポプラ社 編者/TBSラジオ ジェーン・スー 相談は踊る)は、ラジオリスナーでなくとも、ジェーン節を堪能できる内容になっている。