「働き方」×「家族の在り方」それぞれのカタチ
お二人は、共働き&子持ち経営者という共通項があり、序章~終章まで対談形式、イラスト、グラフも含めた「合理的な片付け方法」「家計分担表あれこれ」「教育費はいくらかかるか」等、具体例が書かれていることも嬉しい。
時代感覚として「今日よりも明日がよくなる」という日本は存在しない。(中略)大きな企業に入れば安心で、結婚して子どもをもったらマイホームをローンで購入し、夜遅くまで働いてなるべく出世して、定年まで勤め上げる、という人生の確固たる線路が過去に「あった」ことは知ってはいるが、自分も含め、同世代の周りの人間たちがそうした人生を送ることはもうないであろうことも知っている。(本書より抜粋)
男は「企業戦士」、女は「専業主婦」という時代は終わったにも関わらず、なかなか古い価値観に縛られ、「仕事」「家事」「育児」の悩みを持つ女性は多い。そして男性は、「職場」にも「家庭」にも居場所がなく苛まれている。
「~らしく」生きていくこと、当たり前のように意識と行動を制約する古い価値観から解放されなければ、もっと柔らかく考えると日常のどうでもいいようなことをより良くしていくことこそ、幸せな暮らしに繋がっていくのではないかと問うている(共に考えている)のが本書である。
「働き方」と「家族の在り方」は切り離せないのである。
これから就職する学生に、30代・40代で転職をした(考えている)社会人に、管理職となっている男性にも、女性にも読んでほしい。共働きの夫婦、これから職場へ復帰するという妻、妻が働いて再就職活動中の夫、様々な場面で本書に出会ってほしい。
「○○だからできない」という“言い訳”を力説するよりも、「○○するために何をすればいいのか」を“考えていく”ことの大切さをこの本は語っている。
必読の一冊である。