いつの時代でも、「~らしく」は付きまとう。「男らしく」「女らしく」「親らしく」「子供らしく」「(会社では)リーダーらしく」「(学校では)先生らしく」等々。「~らしく」している分には、見えない鎧を着ているようで、攻撃されにくい。が、いったん「自分らしく」「私らしく」といった自分本位の主張をしだすと、とたんにその鎧は消え去り、攻撃されることが多々ある。

出版業界で、また書店の棚や平積みにここ数年、如実に見られる傾向は「働き方」「ライフスタイル」に関する書籍(ビジネス本、自己啓発本)の刊行が増えているということだ。“「こうあるべきだ!」という見えない価値観の支配から逃れよう、打ち破ろうというカタチ”、“先人たちの賢い知恵、古の言葉から、今を乗り越えようとするカタチ”、“対立するのではなく全く新しい志向性で挑むカタチ”、明確な答えのない問いかけに対して様々なカタチを表す書籍でいっぱいだ。

『二人が最高のチームになる ワーキングカップルの人生戦略』
著者:小室淑恵・駒崎弘樹 英治出版・刊

ロングセラーとなっている『ワーキングカップルの人生戦略』は「仕事術」「新しい夫婦のカタチ」を軸として解りやすい構成で作られている。

「コミュニケーション戦略」「時間戦略」「妊娠・出産戦略」「育児戦略」「お金戦略」と章が組まれ、問題点、解決策が経験から語られ、失敗や著者たち自身の試行錯誤も書かれているため、親近感も有り、それが多くの読者から愛されている理由なのだろう。

著者は小室淑恵氏と駒崎弘樹氏の二人。

「二人の“先生”がロールモデルを“指南”する場(本)ではない」とし、多くの人が読後、次の瞬間に行動に移せるようなステップを示そう、という想いからこの本はつくられたという。