主婦や若年層を中心にユーザー数を増やすフリーマーケットアプリ「メルカリ」。サービス開始2年半で日米2900万ダウンロードを突破した。アメリカでの成功を足掛かりに、日本のITサービス初となる世界スタンダードを目指す。

スマホでウインドウショッピング

【田原】メルカリは、個人が売りたいものを出品して個人が買うフリーマーケットアプリです。僕は使ったことがないので、どういうものか教えてください。この中で、どれくらいの商品が売買されているのですか。

【山田】出品は1日数十万品あります。

【田原】どうやって探すんですか。

メルカリ社長 山田進太郎氏(東京・港区六本木のメルカリ本社にて)

【山田】メンズやレディースなどいくつかカテゴリーがあって、フェイスブックやツイッターのタイムラインみたいに出品情報が流れてきます。それを見て、いいなと思ったら購入申請をします。ウインドウショッピングに近い感覚ですね。

【田原】値段は交渉できるんですか。

【山田】できます。たとえば3000円で出品されている商品に「2500円なら買いたい」とコメントをつけて、それを読んだ出品者が値段を変えることもあります。

【田原】オークションとは逆で、お客が値切れるわけね。ほかに、ヤフオクのようなオークションサイトとの違いはありますか。

【山田】われわれはCtoCにこだわっていて、スモールBtoCを排除しているところが大きいと思います。

【田原】スモールBって何ですか。

【山田】簡単に言うと、個人と企業の中間的な存在。たとえばナイキのシューズを100足くらい安く仕入れてきて転売する、半分業者みたいな人たちですね。オークションサイトには、スモールBやBと言われる人たちが7割いると言われています。その結果、オークションサイトは個人間取引というよりショッピングに近くて、出品のルールも厳しくなっています。一方、われわれは個人だけなので、売るほうも買うほうも、素人が素人なりにできる気軽さがある。そこが大きな違いです。

【田原】素人同士だからハードルが低い。トラブルも起きそうだけど。

【山田】売買が成立した後、代金はいったんわれわれの口座に入ります。出品者への代金の引き渡しは購入者が中身を確認してからなので、物が届かなかったり、届いても偽物だったりすると、購入者に返金できる。事故が起きたときにもサポートできる仕組みになっています。