ここで自己負担が2000円で済む寄付金の上限額が5万円の人は、1万円×5カ所の自治体に寄付をして、それぞれから特産品をもらっても自己負担は全部で2000円です。よく「自治体1カ所につき2000円ではないの?」との質問がありますが、5カ所からお礼をもらっても枠内なら全部で2000円。

特典は早い自治体なら2週間、遅くとも2カ月で届きます。米、肉はダントツ人気ですが、旬の魚介類やフルーツなど新鮮・採れたてが宅配便で届くのはとても嬉しいものですよね。

気になる住民税が実際に安くなる時期はというと、住民税は「後払い方式」なので、2015年1月1日~12月31日までに行った寄付は、サラリーマンなら2016年6月以降に納める2015年分の住民税から戻ってきます。戻ってくるといっても本来納めるべき住民税が安くなり、給料の手取りが増える仕組みです。

税金が安くなったかどうかを調べるには、毎年6月ごろに会社からもらう「住民税特別徴収税額通知書」で確認しましょう。自営業者は住民税の納税書で昨年より減税になったかどうかを確認してください。

最後に、ふるさと納税はいきなり寄付をするのではなく、事前に寄付をする自治体に申し込みを行い、受け付けの連絡を得てから実行します。申し込みと同時に特典を選ぶのですが、人気の特産品は品切れになることもあるのでご注意。

ふるさと納税の申し込み法は電話やファックス、ネット、ふるさと納税ポータルサイト経由など自治体によって異なります。サラリーマンは寄付する自治体5カ所までなら確定申告の必要はありません。住民税は給与から天引きで納税していますが、勤務先の会社にふるさと納税をしたらといって、迷惑がかかることもありません。

自営業者はいつもの確定申告で「寄附金控除」をしてください。

ふるさと納税は「ローカル・アベノミクス」の切り札

少し説明が長くなりましたが、ふるさと納税は国民が気軽に地方へ貢献できる国の制度です。さらに4月から従来より控除額が2倍になったのは、国からのメッセージとして、納税者に「どんどんふるさと納税をしてね」という意味もあるのでしょう。

ふるさと納税は納税者が寄付をする自治体を選ぶことができ、選ばれた自治体はその寄付金を使って地域を活性化できます。地域の特産品の生産者も潤います。納税者は寄付のお礼が届くのでうれしいでしょう。これが“三方良し”の所以です。

今までアベノミクスの恩恵を受けていない……と嘆いている人も、ぜひふるさと納税の「ローカル・アベノミクス」でトクしてください。

マネージャーナリスト 坂本君子(さかもと・きみこ)
広告代理店、出版社にてサラリーで働くエディター、ライター、プランナー、コピーライターを経てフリーに。得意分野は投資、住宅関連。大ブレイクはしないけれど、仕事は堅実でハズさない。満を持して2008年に起業。個人投資家としての投資歴は15年選手(ちょっぴりプラス)。