キャリアを切り拓くための2つの武器

キャリアを切り開いていくうえで重要なのは、自分の業務に対してオーナーシップを持つことと、コミュニケーションスキルを磨くことだと思います。

管理職でなくても、たとえ入社1年目の方でも担当を任されている業務があると思います。その業務に対して一番のプロは自分自身です。日々こなしていることなので、部長よりもその業務をよく知っているはずです。自分の業務をどのように進めていきたいかを、オーナーシップをもって常に考えて実行していれば、絶対に社内で誰かが見てくれています。「若いけれど責任感のある人だね。次はこれを頼もう」とチャンスも拓けていきます。

手放せない仕事道具:スマホと扇子。ツイッターなどでも積極的に情報発信。扇子は気持ちを落ち着かせるために。

また、どれだけ深く考えていても思っているだけでは伝わらないので、価値観の違う人に自分の意見をどう伝えていくかが大切です。違う景色を見ている人たちに、「そうだよね、あなたの考えていることも一理あるね」と思ってもらえるコミュニケーションスキルが不可欠だと思います。自分にしか見えない景色を語っても、なかなか伝わりません。周りにプレゼンテーションの達人がいれば、それを真似したらいいと思います。ロジックの組み立てでも言葉の使い方、表情でも、「とても共感できるな」と思えれば同じようにやってみます。

社長の岩瀬は聴衆が何を求めているかを瞬時に掴み取って共感できるコミュニケーションがうまく、何度プレゼンを聞いても思わず唸ってしまうことがあります。逆に会長の出口はどこでも同じ話し方で、安定したスピーカーとしてのパーソナリティーが確立しています。私にとってはどちらもいいお手本です。

もし、ある日管理職になるチャンスが来たら、迷わず挑戦すべきです。自分とは異なる考え方の人と仕事をする機会が増えることで、視野が広がります。女性には責任感が強い方も多く、その責任が果たせるかと悩んでしまうかもしれませんが、失敗したら「上司の任命責任だ」くらいに考えて(笑)、自信をもってチャレンジしてみてください。

Top communication=構成 永井 浩=撮影